塩野七生『ローマ人の物語XI終わりの始まり』

「職業に貴賤はないが、生き方に貴賤はある」――本文よりウロ覚え。
ハイハイハイハーイアタシアタシ。姫やるのだって楽じゃない、才谷梅子です、コニチハ。

この前の巻までちと手元になくてイロイロとウロ覚えなんだが、登場人物で好きなのが先ず偽善のアウグストゥス、それからキレて引きこもりのティベリウス、あと美少年大好きハドリアヌスときます。帝政以前をあまり覚えてないからかもしれやせん。コレに、カエサルが入ってきやした。

神君カエサル、現代の我々も、彼の時の中で生きている。ローマ人の物語のカエサル編で、彼の魅力については一通り読んだ。借金王、女好き、ハゲを気にする、名言家、優れた戦略家兼戦術家、貴族的、帝政の礎、彼の懐の大きさには感服させられますけど、なんというか、影のない人っての苦手なんすよね、私が属性闇だから。白カエサルよりは黒チェーザレの方がいい。

程度に思っておったんですが、生きている彼を読むより、死後に読む彼の影響が、時代を下っても全く霞まず、寧ろ現代の私の中でも神君と呼ぶに全く相応しいと思えてくる。天才、本当に、その通り。カエサルが示し、アウグストゥスが作り、ティベリウスが定着させたローマ帝国、終わりの始まりからやっと偉大さがわかる気がするわいな。

才能が無い人を、才能が無いことで責めるのはどうかと思うけども、そうしたくなるくらいにイライラしてくるの。マルクス=アウレリウス=アントニヌス君、頑張ってくれてるし対応は悪くないように見えるんだがどうも「頑張っちゃってる人」へのイライラ感が募る。才能でパッ!と解決出来んのか!!

知識も能力も、勿論才能もない才谷だもんで、マルクス君らによりマシな提案など出来るわけもなく、たとえ私が帝位に就いたとしても「あーこりゃかなわんわ」と投げてコンモドゥスのように遊び呆けて暗殺されるのが関の山でしょうけども、読む方からしたらワガママ言いたくなる!!

カエサルの才能、そのバランス感覚、人を動かすことを知っている人の政策でしたのね。マルクス君は哲学者としては優秀なんかもしれんし、コモンドゥスはさておき、その後のヤツらも軍人としては優秀なのでしょう。でも万能じゃなくて偏ってんのね。バランスね、バランス。今更ながらにカエサルが恋しくなります。昔はよかったのぅ…。

今日本でも第一人者争いやってるみたいですねー。現在進行形政治には無関心の才谷ですが政治について思うことはあります。以前にも書きましたが、普通選挙の民主主義って平等を謳ってるから人気投票になるのね、100歳の田舎ばーちゃんも週15分しかテレビ見なくて新聞も読まないバカOLも、政治家も大学教授も等しく1票!民主主義は情報化と民衆の政治判断力が上がらないと意味ないわけで、社会に最も適した政治体制が選ばれ、それが歴史の中で最良とか思えない。

ローマの帝政は、よく出来てると思う。優秀な人物を後継者に養子という形で指名しておくってヤツ。ただ人は好きなだけ生きられて好きな時に死ねるわけじゃないから、何かあった場合の筋道を血統に求めるやり方も、あの時代の的を射てるとも思う。というか、この問題に未だに答えが出せない。子がバカならもう救いがないわけだし、後継者が明確でないなら実力主義の乱立内戦も仕方ないし。結果を知っていて、彼らより遥かに未来に生きてても、解決できないこともありますなー。

七生ちゃんのおかげで大ファンになりましたローマ帝国が崩れるのを読むのは、非常な楽しみでありましたけど、実際読むとタラーっと涙が頬を伝い、悲しくて仕方ありませんな。「この子の行く末には幾多の困難が待ち受けているだろう!だが――」て誕生を祝う親が、実際子供が壁にぶつかったら「何でこの子だけ!」と言って泣くのに似てるかもな。

まぁ、悲しいのは私の勝手でありまして、作品は文句ナシに面白いのです。星は勿論5つですよ。
コメント

「ローマ人」、私も遅ればせながら「悪名高き皇帝たち」まで来ております。
もう10年も前に買ったんですが、その後かかった病気のために読み進めることが困難となり、現在再挑戦中です。
カエサルまでは非常に楽観的というか、話題の明るいこの本ですが、アウグストゥスから段々権力者の苦労を描き、みんながヒイヒイいいながら政治をとるさまが読んでいて面白いですね。
早く才谷さんに追いつけるよう、がんばります。

悪名は、ティベリウスがオススメですースキスキん♪
頑張って読んで〜♪バカ皇帝に時々イラっとするけどそれもまた人ぉ!
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